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わたしのお兄ちゃんは自慢のお兄ちゃん。
背が高くて格好良くて、一緒に歩けば周りのみんなが振り返るイケメン。
お父さん譲りで頭も良くて。
お父さんが亡くなってからはお兄ちゃんがわたしを育ててくれた。
大好きなお兄ちゃん。
放課後。
帰り支度をしていたら、
「なあ、もうすぐ舞花の誕生日だろ?誕生日にさ、カラオケでも行かねぇ?」
「うん、いいよ」
林くんとは幼なじみ。
保育園からずっと一緒。
クラスも同じでお互いのことは何でも知ってる。
おねしょがいつまでの年から初恋の子まで。
「なあ、舞花。聞いてくれる?俺さ、好きなヤツできたんだよね」
「ふーん、わたしの知ってる子?」
「まあな。でさ、告ればどうなるだろうかと思ってさ。たぶんあいつは俺のこと全く意識してないって思うんだよな。同じクラスのやつなんだけど」
「へえ、同じクラスなんだ?」
林くんの隣の席は綾姪ちゃん、それとも前の席の零さんかな。カバンを持ちながら立ち上がる。
誰だろう?そう思ってたら、林くんが目の前でハァーとため息を吐いた。
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