275人が本棚に入れています
本棚に追加
いつになったら気づいてくれるんだか。と、呟いて頭の後ろを掻く林くんと一緒に歩いて校門まで。
「舞花」
4時半の約束きっかりに校門前に迎えの車が止まってお兄ちゃんが降りてきた。
「帰るぞ」
お兄ちゃんの機嫌がかなり悪いみたい。
お兄ちゃんは林くんの顔をちらと見ると学校で何もなかったか聞いてきた。
「特にはなにも」
何もないことを確かめると不機嫌なお兄ちゃんはわたしを車に押し込めるようにして乗せると車を出すように命じた。
くすくす
助手席で笑い声がして声をする方を見たら。
「璃緒はシスコンだからな。妹が男と一緒にいたのが気に入らなかったんだろう?」
助手席にはお兄ちゃんの友達で、会社のひとが乗っていた。
「大神さん」
「よう、舞花、元気そうだな」
大神奏さん。
そして運転していたのは榊さんだった。
小さい頃から憧れてる榊さんがにっこりと笑ってくれて、
「お久しぶりですね、お元気でしたか?」
一緒に車に乗ってると思うだけで顔が熱くなった。
最初のコメントを投稿しよう!