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背中から押し倒されてマスクの男の上擦った声が聞こえた。
床を這って逃げようとしても体重を掛けられて動けない。
「お、お兄ちゃんっっ！」
助けを叫ぶ口が革手袋で塞がれた。
握っていた榊さんからのハンカチを取り上げられて無造作に口の中に詰め込まれ叫べなくなる。
や、いやっ！！
のし掛かられた背中を思い切り引っ張られて制服のYシャツがビリッと音を立てて破れた。
ベストも赤いネクタイも剥ぎ取られ、ネクタイで両手を後ろ手に縛られた。
「夢にまでみたよ、舞花ちゃん」
知らない。わたしの知らないひとっ！
「ずっと陰から見てたんだよ。舞花ちゃんが可愛くて」
ハアハアと息づかい。
真後ろで背中にかぶりつく熱をかんじて総毛立った。
肩に髪に、太ももに男の手が！
いやあぁぁぁっ！！
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