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ビリビリッ、
「舞花ちゃんは俺のモノなんだ」
いやっ!
背中から迫る手に浮かぶ涙で視界が歪んだ。
やだ!お兄ちゃん、助けて!
バンッ
「舞花っ!!」
バキッゴキッ、
「貴様、…よくも、妹をっ!」
お兄ちゃんの震える声がして、鈍い音と共にわたしの背中にのし掛かってた重みが消えた。
ガツッ、「ガハッ、ゲホッ」
ドンッ、「やめ、ろ、…たのむ」
苦しげな声に震えながら振り向くと、壁に顔を打ち付けられ鼻血が噴き出した男を鷲掴みにしたお兄ちゃんの背中が歪んで見えた。
お兄ちゃん―――
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