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これ以上意地悪を続けるとすべて台無しになりそうだ。
僕は苦笑いを浮かべた。
この先はまた今度にしよう。試してみたいことは山ほどある。
「ごめん。あんまりうれしくて、つい意地悪をしたくなって」
僕は声音をやわらげて、そのまま笑香の白い肢体に頭からおおいかぶさった。小さなへそに口づけると、ゆっくりその下に顔をよせる。
「──脱がせるよ」
宣言した後、僕は下着に指をかけた。笑香の体が今までで一番緊張し、僕が挟み込んでいる膝が大きくびくっと反応する。
「う……」
急な刺激に僕はうめいた。まずい。こんなことで出してしまったら、僕の一生の恥になる。
「だ、大丈夫?」
罪悪感が透けて見える声で笑香に気遣われてしまい、僕は曖昧な笑みを浮かべた。
「……大丈夫」
本当は我慢が限界に達していた。くそ、こんなことならどこかのトイレで一回抜いておけば良かった。初めての時は緊張して、逆に立たなくなるって聞いたのに。
笑香の下着に指をかけたまま、硬直している僕の姿に笑香はこまった顔をした。
「自分で脱ごうか?」
笑香に言われ、僕は大きく首を振った。そんなもったいないことができるか。
「脱がせるよ」
僕は再び、今度は自身に言い聞かせるようにささやいた。そして躊躇なく、ショーツを一気に笑香の膝まで引き下ろす。拘束していない足を曲げさせ、片方の足先を下着から抜き取る。
僕は抵抗されないうちに大きく足を開かせた。笑香が強く息を止め、両手で自分の顔をおおう。
僕はエアコンをつけたのに、部屋の電気はつけなかった過去の自分を深く呪った。
夕暮れが近い今の時刻はすでに薄闇が窓から入り、笑香の白い腹部の下は敷かれた制服の色と相まって、僕がどんなに凝視をしても肝心な奥が見えなかった。
「もう、いい」
僕は口中でつぶやくと、指先を笑香の太腿へ伸ばした。これならいつもの妄想と同じだ。つまり、ここからはいつも通りにすればいいんだ。
一瞬落胆したおかげで、僕は平静さを取りもどした。
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