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 じれる体を何とかなだめて、先ほどと同じ避妊のための行為を改めてくり返す。 僕は幾人もの先輩が、この行為をおろそかにして失敗をした訳がわかった。先を見越した考えがないのも理由としてあるだろうが、これほど雰囲気をぶち壊し、忍耐力を試させる行為は他にあまりないだろう。  夜が忍びよるベッドの上で、僕は白い笑香の体に自分の体を重ね合わせた。包帯の布の感触が汗で湿っているのがわかる。それは僕のだけではなくて、笑香自身の汗でもあった。  僕は笑香を抱きしめた。笑香の両腕が自然に僕の背に回される。性急に唇を求める僕に、笑香は自ら口を開いて答えてくれた。  舌が交わり、僕達の口腔で互いの唾液が混じり合う。くちゅくちゅと卑猥な音が響いた。  僕は自分の腰を上げ、笑香の足を開かせた。今度は笑香も恥じらうことなく僕のすることに従った。先ほど入れた時と同じように、開いた笑香の足の間に膝をわり込ませ、腰を落とす。  僕は唇を離した。唾液が一瞬糸を引き、笑香が恥じらって顔をそむけた。 「……いい?」  再び僕がたずねると笑香は黙ってうなずいた。  僕は、腹につきそうなくらいにそそり立つ自分をつかみ上げ、笑香の奥に、ゴムに包まれた丸い先端を押し当てた。秘裂のやや下にある、先ほど覚えたせまい中へと通じるはざまを探し出す。 「あ……」  笑香が艶めいた声を漏らした。その声色には、これから起こることに対する明らかな期待がともなっていた。  僕ははざまに肉の実を引っかけ、力を入れて押し込んだ。 「あああ……っ!」  笑香が大きく顎をそらした。僕は一気に突き込むのではなく、ゆっくりと、笑香に中に押し入っていく様子をじっくり感じさせるように、徐々に力を入れて行った。  自分の理性がまだあるうちに試してみたいことがある。一番深くまで自身を収め、笑香に僕のものの形をしっかりたしかめさせた後、一気に剛直を引き抜く。 「は、あッ‼」  笑香が嬌声を上げた。ぐんと頭を後ろにそらせて両足に力を入れる。  やっぱりな。  僕はわずかにほくそ笑んだ。──引き抜く時に意識させれば、笑香は僕を欲しがってくれる。だがこれは僕にとっても、自身をきつく締めつけて来る笑香を感じる諸刃の剣だった。笑香の熱い体温と、女の子の中の複雑な動きを自分でも感じ取ってしまって、荒い呼吸をくり返す。  最奥まで高ぶりを沈め、自分の形をなじませた上で引き抜く行為を続けていると、中のぬめりが前より増して出し入れがスムーズになって来た。そして淫猥な水音が、僕達がつながった合わせ目から確実に漏れ出して来る。  笑香が感じている証拠だ。  僕のつたない動きでも、笑香が耐えきれなくなったように甘い響きの声を上げ始めた。 「あっ、あッ、あッ、しろうくん!」  僕の名前を呼びながら、自分の行為で笑香が感じてくれていることに大きな喜びを噛みしめて、僕は抜き差しを早くした。 「あッ、はあ、んっ、あああっ──」  笑香の声のトーンが上がった。息を弾ませ、熱いあえぎが笑香の喉から放たれる。僕は動きを大胆にして思うがままに腰を振った。
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