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先輩から連絡がきたんです。久しぶりに。全然会ってなんかいなかったのに。先輩が卒業したのが、もう半年前になるから、それ以来、全然会ってなかったんです。それまでは毎日、それこそ嫌になるくらい、会ってたのに。
なんだかいいことでもあったのか?連絡なんてちっとも寄越さない無口な先輩から、こんなにたくさん連絡が来るなんて。
でも、それも終わりです。
夜になって、先輩からスタンプが送られてきて、私もそれに返しました。もう私たちは、それで終わりなのです。それで、終わってしまったのです。
久しぶりで、嬉しくて、もしかしたらまだ続きが来るかも知れないなんて淡い期待を寄せていたら、気がついたら24時を回っていて。
ああ、寝なくちゃいけない、でも、スマホが手放せなくて、ベッドの中でもずっと、見つめていたんです。そしたら、スマホがブルッと震えて、
「新着メッセージが届きました」
先輩からでした。
私はびっくりして、すぐに開きました。
「好きです」
そう、書いてありました。
驚いて、驚いて、どうしたらいいのかわからなくなりました。あの寡黙な先輩がこんなにはっきりものを言うなんて。ううん、そうじゃない。そんなことじゃない。私はただ、先輩が私のことを、
「ごめん、間違えた」
そうメッセージが届きました。ぬか喜びした自分が馬鹿みたいでした。
もう半年も会ってないから、先輩に彼女がいたっておかしくない。きっと、先輩の彼女はいつも画面の先頭にいて、私とは、全然違うんだろうな。
「そうなんですね……、大丈夫ですよ」
全然大丈夫じゃないのに。でも先輩はそんなこと、気がつかない。
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