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幽霊山中さんの恋バナからの思わぬ復讐劇は中途半端に終わってしまったけど、多分、いや必ずやまた山中さんは現れてくれると信じて俺は、「インタビューウィズゴースト」を「福岡ぶらぶら」に書くことにした。だいだい一記事四百から五百文字だから、少し盛ったらこの間の話だけでも3回分くらいイケるはずだ。コラムのタイトルは……ふむ。
インタビュー・ウィズ・ゴースト
──「斉藤サトルの幽霊奇譚」にしよ。
あ、自己紹介が遅れました。わたくし私立探偵でコラムニストの斉藤悟と申します。
私目の「福岡ぶらぶら」は悲しいかな、駅構内に捨てられて無惨にも雑踏に踏みつけられてしまうようなチンケな雑誌ですが…ハイ。クオリティーが云々なんて言ってくるやつもいないし。もしいるとしたら俺自身くらいで。とにかくそれくらいチンケなタウン誌なのよ。あ、たまに紗弥香が褒めたり、けなしたりしてくるけど、それはあいつの愛情ってもんで──俺の愛しいツンデレ姫よ。
さてさて紗弥香も食いついたけど、コラムのネタというよりも俺は山中さんの話の続きが、続きが知りたいんだよ。ああ、山中さん早く出て来てよー。兄さん三人が……死んだ?──ってなったら、
山中さん殺人鬼……?
フグ毒?
テトロドトキシン?
ひゃーー毒殺魔ーー!!
スマホ検察?? いやいやここは本人からの話を待とう。待て斉藤悟。果報は寝て待て──違うか。待ちます。待ちますとも。落ちつけ。上手く行けばコラムニストとしてメジャーデビュー出来るんじゃないか。おい、メジャーてどこからがメジャーね。「福岡ぶらぶら」はメジャーじゃなかとか。そげんこつ(そんなこと)決まっとろうもん。駅に捨ててあるとぞ。家まで持って帰ってくれんとぞ──おい斉藤、独り言言い始めたら人間終わりぞ。
斉藤悟「インタビューウィズゴースト」頑張りまーす!
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