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紗弥香と焼鳥と山中さん
深夜十ニ時、紗弥香からラインが来た。
『明日の探偵さんの予定は?』
『明日の探偵は予定なし』
『じゃ、後でバイト帰りに行くから』
『マジで。やったー!チュッ!』
『なんか食べたいのある?』
『酒のつまみになるやつ』
『焼鳥にする?』
『まじ?!』
『うん。いいよ』
『じゃ、皮とバラ5本づつ、あとサガリ3本良か?』(良い?)
『了解。鳥政に寄ってから帰るね』
『サンキュー』
『うん、じゃ待っとって』
『気ーつけてな』
『OK』
ヤッホー。焼鳥だー。
諸君、福岡の焼鳥文化をご存じだろーか。福岡はよくラーメンやモツ鍋なんかがフィーチャーされがちだけど、焼鳥ももうちょっと注目してほしいね。今更、焼鳥屋を宣伝する事もないだろうけど少し語ります。ラーメン屋の店舗数は言わずと知れた爆数だけど、焼鳥屋も負けんくらいある。皮(鶏皮)を専門にした店なんかもあるほど福岡は焼鳥文化が染み付いたシティなのだ。小さな子供の家族連れがファミレス感覚で使ったりもする。子供が皮を美味そうに頬張る。子供が焼鳥屋って…渋かろ?
夕方辺り焼鳥屋の前を通って、醤油とミリンの甘辛ダレの匂いが歩道に面したダクトから漂ってきたら、もうもうそれだけで、生中二杯は妄想で飲める。おう、そうだ! 紗弥香が帰る前にグラスを冷凍庫でキンキンに冷しとこーっと。早く早く焼鳥〜、いや紗弥香〜、帰って来て〜。
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