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それからしばらく彼がいつもの場所で待っててくれることがあったが、
私は彼を避けるように目線を合わさず一人で帰った。
いつしか彼は待ち合わせ場所で見かけなくなっていった。
もうすぐ彼は卒業。
今年の冬しか、あと何回かしか帰れなかったのに、なんで。なんで。
家の庭に残る雪の塊に向かって叫んだ。
私の言葉を返してよ!
彼に伝えたいことがあったのに!
そんな言葉も決して声には出ずに、心の叫びとなってしまっていた。
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