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突然の出来事に驚き、気付いた時には真っ暗だった。
そして体に感じる冷たさと圧迫感。
昨晩降った雪のせいで倉が崩れ、倉の中に雪が雪崩こんだのだとすぐに分かった。
幸い崩れた倉の木材が目の前にあり、息が吸える程度の空間は作ってくれている。
しかし体のほとんどは雪崩れ込んだ雪と崩れた倉に押し付けられ身動きが取れない。
手にしていたランタンもどこかにいってしまっている。
真っ暗な暗闇と雪の冷たさだけが感じられる。
私は恐怖に襲われ、夢中で叫んだ。
叫んで叫んで助けを呼んだ。
声が枯れるまで叫び続けた。
それでも外には全く聞こえている気配はなかった。
雪が声を吸収している。遮っている。
両親が帰ってくるのは夕方頃と聞いている。
それまできっと誰も気づいてくれない。
手や足の感覚は既にない。
私、このまま死んじゃうのかな。
恐怖と寂しさに涙を流しながら、枯れて出ない声を出し続けた。
数時間後、私はいつしか意識を失っていた。
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