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約束
………朝。
窓からは、果てしなく続く海が見える。
…私はあの後、あの青年に料理を振る舞ってもらった。
意外なことに、あの青年、かなり料理が上手いのだ。
見た目からは、考えられない程に。
…と、私がそんなどうでも良いことで頭を使っていると、突然。
ガチャッ。
「おいガキィ、起きてるかァア?」
扉から、例の彼が入ってきた。
何やら少し寝ぼけてるらしく、若干足元がフラフラしている。
「…起きてるよ」
「そうかァ、じゃあ準備ができたら昨日の部屋に来いよォ」
そうとだけ言って、彼はさっさと部屋から出ていってしまった。
そうして、色々と支度を済ませた私は、彼の後を追うように、昨日連れてこられた部屋へ入る。
ガチャッ。
「………」
「………お?来たかァ」
…部屋自体は広いのに、色々と物が散乱しているせいで、なんだか部屋が狭く感じる。
………この人、料理はできるのに、片付けは出来ないのか。
「……で?返事は決まったのかよォ?」
「…うん。………私は…」
「私は、“私の復讐”の為に、貴方の手助けをすることを…約束するよ」
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