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狂った精神
「ころ、ス…コロス………。逆ラう奴には………罰ヲ…」
「ギア、やめ───…」
「………もう…どうでも、いいんだよォオ…」
…急に、ザキラの雰囲気が変わった。
………嫌な予感。あの時と…最初に出会った時と、同じ………いや、それ以上の…。
───…殺気。
急いで私は、ザキラを止めようとする。
が、もう…手遅れだった。
「…………ろす」
「……え?」
『──此処にいる奴、全員……ブッ殺す!!』
「ザ、ザキラ………!!?」
その場には………ただただ、おかしくなってしまったザキラの笑い声が、響いた。
もう、ザキラに………理性はないのだろう。
「ヒャハハハハハッ!!!」
無差別に、ただ、人を殴っていた。
(………あれ…?)
…そこで私は…違和感を覚えた。
皆、殴られてはいるが……気を失う程度のものだったのだ。
…ザキラの手は、震えていた。
………これは…ザキラの、本心じゃない。
…もしかしたら……と。
私が、行動に移そうとした…その時だった。
「ヒャハ!!ヒャハハハハハハッ!!!もう何もかも、どうでもいいんだよォ!!ただブッ殺せりゃァそれでいい!!!」
「………ザキラ…」
…と、そう口にした。
……それにより、ザキラは…私の存在に気付いたらしく。
此方へ、近づいてくる。
ザキラは、私のことが…分からないらしい。
「テメェみてぇなガキはァア…さっさとおねんねしてなァア!!」
「っ…!!」
ザキラは、殴りかかってくる。
私は目を瞑った。………しかし、どれだけ待っても殴られることはなかった。
恐る恐る………目を開けると。
「っ………あ、ァ…殺し、てェのに………体が言うこと………きか、ねぇ…!!」
「……!」
ザキラは、私に殴りかかる寸前で…固まっていた。
「こんなガキ殺すのなんて簡単だろォがよォォオ!!何で………何で、動かな───」
───…ザシュッ…。
…と、嫌な音がしたかと思えば。
「………あ゙ァ…?!」
───…彼は……赤黒く染まっていた…。
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