最低で、残酷で、塵以下の人間

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最低で、残酷で、塵以下の人間

「ザキラっ!!!?」 「い゙っ………!!」 ゴトン、と。何かが、地面に落ちる。 その〝何か〟とは………ザキラの腕だった。 ………ザキラの腕が、ギアに……切られていた。 「…殺ス………こロ、す…逆ら、ウ…ヤツハ…。」 …どうやら、ザキラはあまりの痛みで理性を取り戻したらしく。 「…カー、ラ……?」 …と、私の名を呼んだ。 「俺ァ…どんなに、ぐちゃぐちゃに、されようとォォ……不老不死だかんなァ、元通りになんだよォォ………」 「……」 「けどなァ………テメェ、は……」 …ザキラが、私に何を言いたいのか。簡単に……予想できた。 『逃げろ』 ………そう、言いたいのだろう? ギアは、自我を失って………最早、不死身の殺人兵器だ。 私なんか………一瞬で…。 「ハハッ、ハハハハハ!!そうだ、ギア!お前は俺という歯車を動かすだけの道具!!さぁ、早く………!!あの二人を捕らえろ!!」 ………道具…。…そんな、言い方。 ……やっぱり…お父様は…いや、あの男は……最低で、残酷で………塵以下の人間だった。 まぁ、そんな男の…娘である私も、きっと塵のような奴なのだろう。 ………だとしても。 あの男よりは………腐ってない。 ………だから。 「………ザキラ、ごめん」 「バッ………お前っ…!!!」 ──私は、逃げない───…!!
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