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遠い先祖に
私が叫ぶと、何処からか声がした。
「うっ…お嬢…様………?」
どうやらアルラは、ザキラに気絶させられていたらしい。
急いで駆け寄ってみると、アルラは地面から起き上がり、
「私にできる事があれば…何でも、お申し付けください…」
と、頭を下げる。
私はギアが正気を取り戻すよう、説得してほしいとアルラに伝えた。
アルラは、快く了解してくれた。
私は、アルラを連れてザキラの元へ戻る。
さすがにまだ勝負はついていないが、お互い疲れているようだった。
だが、ギアの方が…余裕があるように見える。
「おいィ… 一応攻撃し続けといてやったぞォ…。俺ァもう疲れたァ。 後はテメーらでどうにかしろォォ…」
「…十分だよ。…ありがとう、ザキラ」
私がそう言うと、ザキラはその場に倒れ込んだ。
相当消耗していたらしい。
「………ギアード様。」
メイド服を身にまとった小柄な少女は、 自分の遠い先祖である彼に、小さく語りかけた。
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