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道具、そして解放
「ギアード様、私が…分かりますか?」
「…コロ…………ス……ど、ケ…………!」
…バケモノのような唸り声を上げる。
黄金の瞳を不気味に光らせ、不老不死は、ギラリとメイドを睨む。
私は、ただただその光景を見守っていた。
「私は…貴方様の遠い子孫である、アルラ…アルラ・ヴァイアルという者です。」
「………」
「………シ………そ…ン…」
「「!!」」
私が目を見開くのと同時に、アルラも目を見開く。
と、次の瞬間、ギアが突然苦しみだした。
「ガッ………ア、ァ………! お、レの………し…………ソ…!」
「…ギアード様!!私は…もう、解放されましたっ…!!ですから…もう、旦那様に従う必要性は…」
───…旦那様の、道具になる必要は御座いませんっ…!!
アルラが、そう言い放つと…ギアは、完全に固まった。
少しも動かなくなった。
「………ギアード…様……?」
アルラが、心配そうに声を掛ける。…だが、それでもギアは動かない。
「おい、ギア!何をしている!?早く、あの二人を…!」
…瞬間。
一人の男に向かって、ギアは…刀を突き立てた…。
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