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01
2月も半ばのある日のこと。
玉山順次(たまやまじゅんじ)は、緊張の面持ちで、茂原市内にあるレストランの窓際の席に座っている。
1年交際した佐藤敬子(さとうけいこ)に、プロポーズするためだ。
僅かに震える右手で水が入ったグラスを掴む。
そのときだった。
「ごめんね。待たせてしまって」
敬子がニコリと笑う。
「いや、俺も今来たところなんだ」
順次がやや早口になった。緊張しているときのクセだった。
「で、話したいことって何かな?」
ニコニコしながら聞く敬子を見て、順次の緊張は極限にまで高まる。
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