黒王子に不可能はないらしい

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「は、はい…  そうですけど、私、何かしましたか…?」  コンシェルジュの綺麗なお姉さんは、私の腕を掴んだままどこかへ向かってひたすら歩いて行く。 「…あの、すみません、私、今から仕事で横浜まで行かなくちゃならなくて」  腕を引かれながら私がそう言うと、コンシェルジュのお姉さんは女優さんのような笑みを浮かべて大きく頷いた。 「知ってます」 「え? じゃ、何で??」  そのコンシェルジュのお姉さんは、どうやら地下の駐車場へ向かっているらしい。  何?   もしかして、私、拉致されてる??  やっと状況を把握し出した私は、心臓がバクバク鳴り出した。  わけが分からない。  このお姉さんは一体何者なの??  一般的な駐車場を抜け更に奥へ進むと、ゆったりとしたスペースの空間を贅沢に使っている駐車場にたどり着いた。  そして、そこには、駐車場専用のコンシェルジュの若い男の人が立っていた。
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