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 あれ、どんどん水がなくっなっていくよ。  少しずつ、少しずつ、僕だけの幸せな空間がしぼんでいく。  イヤだ、イヤだ。  僕は目をつぶったままもがく。  イヤだ、僕をココからださないで、まだ眠っていたいんだ。  ブクブク  やだ、何かに足を捕まれる  誰?  僕をここから、出そうとするのは。  僕がどれだけ暴れても足を掴む手は離されず、ドンドン引きずりだして、外へと出してしまう。  イヤだ、寒い、寒い。  元の場所に戻りたいよ。  思わず目をあけてしまう。  痛い、白い、白い、強いライトに焼けちゃいそうだ。  知らない人の声がする。  僕は怖くて泣き叫んだ。 「お母さん、2600gの元気な男の子ですよ」
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