329人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
それから1週間後の土曜日。街のショッピングモールに1人で出かけた私は、あろうことか、雪斗を見かけることになった。今まで、同じ街で暮らしていても会うことなんてなかったのに。
雪斗は、私よりも若そうな普通の奥さんと、あの写真の女の子と一緒に歩いていた。
どこにでもいるようなその家族が、羨ましくてたまらなかった。本当なら、あの場所には私が居るはずだったのに──。
あの奥さんはそれを知っているの?
あなたの幸せと引替えに、私がどれだけ不幸な、惨めな日々を送っていたか。
その夜私は、もう会うつもりなんてなかった晴太くんに連絡をした。
最初のコメントを投稿しよう!