2度目の花嫁

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*** 「またさちこさんと会えて嬉しいです。もうダメかなと思ってたから」 「えっと……ありがとう」 「今日はイタリアンはどうですか?」 「いいね」 それから私は、半年間、月に2回ほどのペースで晴太くんと会い続けた。 晴太くんは下心がある、なんて言っていたけれど、私は指1本触れられていない。そうしていつしか、いつも穏やかで気配りの丁寧な彼の隣にいることが、心地よくなってしまった。 でも、こんなぬるま湯に浸かった関係は、今日で終わりにすると決めてきた。 あの日再会したこの駅に入る前に。 人通りのまばらな夜の歩道で、私は足を止めた。 「さちこさん?」 「晴太くん、もう会うのはこれで最後にしましょう」 「……どうしてですか」 私の言葉で、いつも朗らかな晴太くんの表情がいっきに曇ったのが、通りすがる車のライトに照らされた。
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