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『だけど父親になると、考え方とかも変わってさ』
……え？
『あの時は、あれで良かったと思ってた、籍を入れる前だったし、優里に傷は付けずに済んだと。でも、娘が同じようにされたらと思ったら、な。優里、本当に悪かった』
父親？ 娘？
「……うん、平気」
やっと絞り出した声でそう応えた。
『今更だったよな。突然悪かった。じゃ』
電話が切られ、しばらく動けずにその場で佇んだ。そして、ふと思い立ちインターネットで“平野雪斗”を検索した。
「……そっか」
だらんと柱にもたれ、そのままズルズルとしゃがみ込んだ。
雪斗のSNSのプロフィール画像は、小さな女の子が4本のロウソクの立つお誕生日ケーキを見つめている写真だった。
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