翌日

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そして薄暗い地下のカフェに入る。 刹那「……お久しぶりです、シロナさん」 シロナ「久しぶりね……急に呼び出してごめんなさいね」 刹那「…いえ、構いませんよ。 それで、用事と言うのは?」 シロナ「貴方に地方探検許可証が出たのよ」 刹那「……俺にぃ!?」 地方探検許可証とは、簡単に言うとパスポートみたいなものだ、それを持ってるだけでどんな地方にも行ける。 まあ、カントーとジョウトだけは例外的に誰でも行き来できるが、例えばホウエンやシンオウに行こうと思うと移動手段+向こうの地方に許可を取らないといけない。 現実で言えば出国手続きのようなものか…さほど時間はかからないが手間が焦れったい、それを顔パス同然に出来るのがこの 地方探検許可証である。 刹那「……いや、おかしいでしょ。常識的に考えて俺にそれが発行されるとは考え辛いですよ?」 実はこの地方探検許可証、条件が結構厳しくて、持っている人は殆どが有名人やお金持ち等、つまり顔の認知が通ってる人ってことになる。 俺、職業はポケモントレーナー 現実世界で言うとフリーターなんですけど…。 シロナ「ちなみに、申請を通すには十分すぎる理由があったから通ったのよ?」 刹那「……教えてください」 シロナ「ジョウト カントー ホウエン シンオウ地方殿堂入り(ちなみに殿堂入り=チャンピオンや四天王交代にはならないわよ、この世界は。まあ、理由はそれぞれとはいえ交代した人も知ってるけどね) 一般トレーナー連勝記録 ポケモンをとても懐かせていること その他の地方への旅行等を積極的に行うこと 顔が広く知られているトレーナーであること そして最後に、私が印鑑を押して提出したこと、よ」 刹那「殿堂入りとシロナさんの印鑑が9割な気がする……」 シロナ「まあ、良かったんじゃないの? この地方探検許可証はどの地方でも四天王より上は持ってて当然レベルだし、私も当然持ってるし。厳密なこと言うとどこかで殿堂入りしたって実績だけで取れる物だから逆に貴方が取ってなかったことに驚きだったわ」 刹那「で、代理とはいえ取ってきてくれたってことは、地方に関することですよね?」 シロナ「えぇ、もちろん。 貴方にはヒメガミ地方に行って貰いたいの」 刹那「ヒメガミ地方?聞いたこと無いですね」 シロナ「まあね、ヒメガミ地方…漢字にすると姫神地方ってなるんだけど、場所は確認されてるけど実際に行ったことがある人は少ないわ」 刹那「なぜ?」 シロナ「人を選ぶのよ、土地が。 なぜか大半の人はその土地に足を踏み入れることが出来ない、理由ももちろん分からない……そんな場所よ。 ただ、かなり昔に一人だけたどり着けたらしいわ。そのときの資料には、たどり着くには人間は一人でなくてはならない、二人以上ではたどり着けない。 そして方法はなみのり、この2つだけ とだけ書かれていたわ」 刹那「なら、俺がたどり着けない可能性もあるんですよね?」 シロナ「それを承知の上で頼んでるのよ、もし、たどり着いたのならそれでよし、たどり着けなかったらそれはそれ、よ。 未開の地に足を踏み入れるって神秘的じゃない? ちなみに私は無理だったわ、ヒメガミ地方の方角になみのりを何度もしたけどどこまで行っても海だったからね。空からも考えたけど、この地図に示されてる場所には影も形も何もなかったわ」 刹那「……まあ、行く分には構いませんよ、たどり着けるかは別問題としても暇してましたし」 シロナ「助かるわ、ありがとう。 もし、たどり着けたのならその様子を記録してきてくれないかしら?勿論、現地の人達に許可をもらってね」 刹那「了解です」 シロナ「私からの用件はそれだけよ、わざわざ来てくれてありがとう。 それと、地図は送っておいたからそれを見ながら行くとおよその方角は分かると思うわ」 刹那「了解、ありがとうございました」 シロナ「えぇ、よろしくお願いするわね」
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