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今日も、いつもと同じ繰り返しかと思い食事のトレーを待つ。
小窓の方から、普通の壁に見えたはずが、横にスライドする大きな扉になり・・・
「ウィ~ン」
音をたててスライドした。
「カツカツ。」
女性が、開いた扉からこちらに私の方へ、ヒールをカツカツといわせながら歩いてきた。
この部屋で過ごすようになってから、はじめて合う人間を私は、しばらくジッと観察していた。
その女性は、手にした資料を見ながら私を上から下までなめまわすように観ている。
ノートを見るように書類を見ていた女性は、パタンと書類を閉じ発した言葉は、ありふれていたが『おぉ~』となった。
久しぶりの人の声が耳に響きくすぐったい。
久しぶりなのもあり、聞こえてくる声は、何か布でかぶされているように聞こえずらい。
聞こえている声が、だんだんと響きすぎて私の身体が、地震のように揺れ動いた。
私は目の前にいる女性に、自分の異変を告げても大丈夫なのか考えあぐねていた。
「つぅぅ。」
もう考える余裕もないほどに、身体の異変を感じる。
「がぁ・はぁぐっ・・・」
「・・・さん、分・・・すか?」
女性の声が遠退く・・・
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