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気を失っていた間に、私の身体はベッドに括り付けられていた。
柔らかな身体に鋼の鎖が動くたびに締め付けられる。
何度やっても鎖が外れることもなく、身動きできない身体が、ストレスで細胞が吹き上がり、眼が赤く染まっていった。
身体が沸騰しているかのように、ブクブクと音がもれている。
《あぁ、あ~もう・・・かわってしまう》
本能でわかった。
身体全体に違う血が巡り、いとも簡単に鎖が切れる。
「ガァ~~ぐっ」
鎖を引きちぎった身体は、人と呼べる形をなしていない。
大きさからして一般男性よりもはるかに大きい。
鏡がなくても自分の首から下は確認できる。
指先の爪は、長く硬い刃物ようで肘から下の両腕に切れ味バツグンの釜がとび出ている。
何故こんな姿に・・・と嘆きたかったがそれを許さない白衣の男達。
「グルル~ゥ。」
身体の変化が脳にまでいかなかったのか頭はスッキリしている。
今すぐにでも、ここから逃げ出したかった。
自分の身体に、何が起きているのかしりたかった。
ここにいては危険!!!
私の危険回避能力が凄い数値で上がっていく・・・
危険信号が鳴り響いている!!!
昔見た映画に、人が獣に変化した後、狂ったように暴れ殺戮を繰り返すシーンがあった。
逃げるために、一芝居うった。
「うっガァ、ガァ~グルル。」
私は、自分の服を引き裂き白衣の男達や女性に襲いかかろうとした。
鋭い爪を振り上げ、顔をめがけジャンプした同時にその場にいた人間達は、頭を抱え蹲った所をすり抜けスライドするドアに爪をかけ力いっぱい引き無理やり開けた。
ドアを、無理やり開ける大きな音に、皆振り向き声を荒げた。
「実験体が逃げるぞ、逃がすな。」
「入口を封鎖しろ、急げ!!」
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