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母は苦しい家計の為に、ホステスとして働いていた。
美人で若く見えるからと年齢を6つもさばよめたが、恐ろしいほど酒癖が悪かった。
お酒は嫌いだと言う割に強く、飲んだらことごとく飲まれてしまう。
父の話によると最初から急ピッチで飲み始め、何度も止めたのだが一切手に負えず、あっという間に酩酊状態になり急遽送り届けることになったらしい。
母に「何か」があったようなのは確かだ。
今までこのようなことは、なかった。見たこともなかった。
ヤケになった母は、アルコールを豪快に流し込んだのか・・・。
妻に働かせているという罪悪感もあり、父はけして怒ったりはしなかった。
大虎から姫に戻った母を抱き上げて、階段を登りきった父の背中に温かさを感じた。
このことは私と弟も母の前では、何も無かったことにしようと約束をした。
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