目覚めたら雲の上

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俺は目覚めた。 「仕事、お疲れ様」 同僚が俺の頭の機械を外す。 「ああ」 俺は倦怠感を感じながらも、体を起こした。 「大変だったね」 「ああ、たとえ仮想空間でも」 俺は額を押さえた。 「君の頑張りのおかげで3人も同時に自白させることができたよ。 後は3人が100年分の地獄を味わえばオーケー」 同僚は側のテーブルに置かれていた缶コーヒーを飲む。 「そうだな」 「この機械が導入されてから自白は簡単になったし、 犯罪も減ったよ」 「犯人に死後の世界と思わせ、罪の自白をさせる。 そしてそのまま仮想空間内で地獄を過ごさせる。 実際、あの3人が地獄にいるのは3日ぐらいなんだろ?」 「だけど3人の体感時間では100年ぐらいになる」 「そりゃ、地獄だわ。起きた後、犯人が一様におとなしくなって更生するのも 納得だよ」 「もう刑務所はいらないな」 「地獄の内容はそりゃ言葉で言うのもおぞましいからね~」 同僚は笑う。 「だから、3人が俺を生贄にしようとしたのも納得できるんだよな。 俺が3人を死なせた設定なんだし」 「そうだね。もしそこで皆を庇って自分を犠牲にする選択をすれば、 多少は量刑が短くなるんだけどね。 実際はそんなことできないのが人間だよ」 同僚は俺に缶コーヒーを渡した。 俺はそれを飲む。 頭がすっきりした。
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