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「妙な夢を見たな……」
私は頭を押さえながら起き上がる。
二日酔いで頭が重い。会社を休みたいが、そうもいかない。
今プロジェクトは火を噴いていて、連日の残業でも追っつかないほどだ。
「安い給料でこき使いやがって」
ブラック企業スレスレの会社では、食っていくのがやっとだ。子供も大きくなるというのに、この先どうすりゃいいんだ。
「女房ときたら、毎日このまずいベーコンエッグだ」
私は八つ当たり気味に、コーヒーで胃の中に流しこみながら呟く。
家でも、会社でも、ろくなことが起こりやしない。
「もっとマシなことが起こればいいのに」
そのとき、どこか、天の上のほうで、大きな舌打ちが聞こえた気がした。
了
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