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「なんだこれは?」
私は死んだのか? それともまだ夢の中なのか?
焦って周りを見まわす。
360°どこを向いても、眩しい光の中。何もかもが真っ白――
と思いきや、下の方、はるか遠方が暗くなっている。
「あれは……闇?」
とにかく、これじゃ落ち着かない。地面くらいは欲しい。
そう思ったときだった。眼下に、小さな点が現れた。そして……
「おおっ」
私は驚嘆した。点が円になったかと思うと、どんどん大きくなり、あっという間に広がっていく。
それははるか彼方まで広がり、やがて見渡す限りの地平線。
「驚いたな」
地面が欲しいと思った途端に、これだ。
「これはもしかすると……」
私は、もう一度願ってみることにした。次に欲しいのは……
「水、水……」
そう呟くと、空中からものすごい勢いで水が噴き出す。
先ほどできたばかりの大地に、水の奔流が流れ込む。
水は大地に広がり、みるみる間に海が現れた。
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