天地創造

2/6
前へ
/6ページ
次へ
「なんだこれは?」  私は死んだのか? それともまだ夢の中なのか?  焦って周りを見まわす。  360°どこを向いても、眩しい光の中。何もかもが真っ白――  と思いきや、下の方、はるか遠方が暗くなっている。 「あれは……闇?」  とにかく、これじゃ落ち着かない。地面くらいは欲しい。  そう思ったときだった。眼下に、小さな点が現れた。そして…… 「おおっ」  私は驚嘆した。点が円になったかと思うと、どんどん大きくなり、あっという間に広がっていく。  それははるか彼方まで広がり、やがて見渡す限りの地平線。 「驚いたな」  地面が欲しいと思った途端に、これだ。 「これはもしかすると……」  私は、もう一度願ってみることにした。次に欲しいのは…… 「水、水……」  そう呟くと、空中からものすごい勢いで水が噴き出す。  先ほどできたばかりの大地に、水の奔流が流れ込む。  水は大地に広がり、みるみる間に海が現れた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加