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しばらくの後、世界は動物たちの楽園となっていた。
「みな、私のつくった世界で、楽しそうに暮らしてくれている」
私は満足気に世界を見渡した。
調和のとれた、平和で、完璧な世界だった。
「さて、そろそろかな……」
私はそこでようやく着手することにした。
それはやはり必要なことのように思えた。私に代わって動物や自然を守る、世界の調停者の存在。
私は、今までにも増して力を込めて念じた。
「さあ、いでよ。私の最高傑作にして、我が似姿――人間よ!」
そうして人間が誕生した。
我ながら素晴らしい出来栄えだと思った。これでこの世界は、さらによくなるはずだ。
だが、それは間違いだった。
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