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絶望はどうしてやってくるのだろう。
ある日突然、無慈悲で獰猛な大鎌が、神に永遠を誓ったはずの幸福を凄絶に引き裂いた。これまでの満ち足りた日々など、まるで泡沫の夢だったかのように。
自分の中にいつの間にか巣食っていた、それ。
息もできぬほど深く昏い闇の底。ズタズタに切り裂かれるような苦しみの果てで、それの持つ残酷で凶暴な意思を、確かに垣間見た。
誰にも止めることのできない、"殺意"。
赦されなくたっていい。
ただ、愛する人に安らかな眠りを──。
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