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夜弥のその後……
微睡みの中、僕は笑い声を聞いた。
嘲るようなものではなく、純粋に楽しそうな笑い声は女の人のもので。
どこかひーちゃん……陽離を思い出させる。
そしてぼくは目覚めた。
目覚めたと言うよりは飛び起きたが正しいのかもしれない。
驚いて飛び起きた。だって、ほら……僕は起きちゃいけなかったんだ。
「どこだよ、ここ」
時が止まったように色のない風景。白い色の濃淡があるだけの部屋。
例えるなら病室のようだが、いくら病院でもここまで白くない。色がなくはない。
目の前が真っ白になった。物理的に。
そもそも、僕は陽離を壊して、喪失感から自分も飛び降り砕けたはずだ。
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