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第0話 チャンピオン
「本日のメインイベント 6人タッグマッチ!まずは仮面武闘會 蟲組 入場!」
リングアナに呼び込まれ 3種の昆虫がリングに降り立つ。彼女達は紛れもなく五大軍一軍レスラー。各々強者といった佇まい。
今生中継されている試合は「スペース・プロレスリングチャンネル」
若手中心の「ヤングパッション」とは違い 団体にピックアップされた一軍選手の試合を放映するいわば 本チャンネルだ。
「続きまして 雷刀忍狐・桜牙入場!まずは火車ミーコ入場
!」
ユニット名だけで巻き起こる大歓声!
ミーコ「やっほぅ!!」
先陣を切るのは火車ミーコ。相変わらずの無重力ムーブでトップロープを飛び越え華麗に降臨!
「続きまして 稲荷場レイ入場!!」
レイ「はっ!!」
桜牙の白い閃光 稲荷場レイもミーコに負けじと華麗なジャンプでリングに降り立ち 向かい合う蟲組を威嚇する。
「最後に...SWPシンデレラ無差別級チャンピオン 赤嶺キリコ入場!!!」
ボンッ!!!
その名がコールされると同時に入場ゲート横の装置が大量の桜吹雪を打ち上げる。
白桜色のベールの向こうに見えるのは艶やかな西陣織のガウン 妖艶にメイクされた般若の面 鍛え抜かれた鋼の肉体 そして腰に輝く純白のベルト!!
「来たぁ!!」「赤嶺ぇ!!!」「キリコォ!!!」
大歓声をじっくり味わうかのようにゆっくりと 花道を進む赤鬼。
身長は団体最小 されど纏うオーラなのか彼女の積み上げてきたプロレスラーとしての厚みか 対戦相手の蟲組には随分と大きく 恐ろしげに映っていた。
リングに上がりそれぞれ身長体重のコールを受け最後 メインイベントの最後を飾る選手を呼ぶ。
「身長170センチ体重115キロ!SWPシンデレラ無差別級チャンピオン あかみねぇぇ!!!キリィィコォォォォ!!!!!」
キリコ「よっしゃぁ!!!!!!!!」
自陣コーナーに登り客席にベルトを誇示しながら仮面を脱ぎ捨てる!!
そこから見える満員御礼の客席。メインイベンターとしてのチャンピオンはこの全てを納得させなければならない!
キリコ「いよぉぉぉしっ!やるぞぉ!!!」
レフリー「レディ!ファイッ!!」
キリコ「うぉぉぉぉぉ!!!!!!」
チャンピオン それは頂きに立つ者
チャンピオン それは守り抜く者
チャンピオン それは歩み続ける者
チャンピオン それは永遠の挑戦者
ライバルとの激闘を潜り抜け遂にベルトを巻いた赤嶺キリコ。
しかし彼女に安息の時は無い!
ベルトを虎視眈々と狙う五大軍からの刺客達
新チャンピオンとなったキリコに対する大きな期待
ベルトを巻くという見えない重圧
それら全てを覚悟で括り背負って歩むキリコのチャンピオンロード。
いつもの 強く 明るく 激しく戦う それが赤嶺キリコ。
デビューの頃から貫き通すレスラー魂は少しも揺るがない。
変わらない為に変わり続ける!
プロレス小説プロレス小説 第3章ここに開幕!!
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