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消す気満々だったけど、やめておきました
撮影されていた動画が気になる俺は、東に甘えて一緒に見ようっと自分から誘った。
すると、「いいよ」と嬉しそうに返してくる東の反応に、恥ずかしい動画だったら消すつもりだった俺としては、少々、罪悪感があった。
(会話、一部抜粋。)
『
「...東の...傍にいれるのぉ...」
眠たそうにしている俺の顔を撮影している東のクスクスと笑っている音が聞こえていた。
「お、おう...、お前のかーちゃん、すげーノリノリなのなぁ。
「うわぁ、リアルBLだぁ」って喜んでたぞ。」
そういえば、母さん、BLにハマって父さんにも「おすすめよ、これっ!」って、渡してたわ、父さん、微妙な顔をしてたなぁ...。
「...むにゃむにゃ...。じゃぁ...。東のお父さんとかにも、俺、挨拶しにいかないとねぇ...。」
「...かわいいぃ...。ふふ...。」』
ー!
見せられていた画面が急いで消されて、俺は、まだ見たいと訴えた。すると、
「いや、えっと...。」
はっきりしない東の反応に何か良からぬことをしているような気がし始めた俺は、究極の選択を出してみた。
「...隠している動画を見せるのと、これから、起きてる俺とキスするの、どっちがいい?」
ー!!?
東は、スマホを握り締めたまま、すげー悩み始めた。
「...いや、俺のすげー大切な動画なの。
お前、絶対に消すだろ?!
…でもでもでもっ!
お前とキスも...捨てがたぁーい...っ!!くっそぉ...、卑怯だぞっ!」
俺の前だと、こんな東だけど、やっぱり好きだなって思う俺の恋話。
ちなみに、隠していた動画では、俺が東にキスをせがんでて、すげー嬉しそうに何回もしてくれてる光景が写ってた。
「...この動画、俺も欲しい...。」なんて言ったら、すげー喜ぶ顔をするんだろうなって思ったりした。
では、またね。
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