もう一つの告白

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 自分の部屋の机の上にある、表紙に穴のあいた本を見つめる。  あの時、バッグの中に、何冊も本が入っていて、良かったよな。お陰で、祐奈の暴走を止めることが出来たのだから。  それにしても、こうも事が上手く運ぶとは、夢にも思わなかったよ。 『貴方の彼女への想い!必ず叶えます!』と言うマニュアル本の内容に沿って、行動をしたけど、本当に上手く行った。  皆がこうもマニュアルに沿った動きをするとは、思っていなかったから。  思わず、笑い出してしまう。  祐奈の暴走が、想定を少し上回ったくらいかな。  だからと言って、祐奈への気持ちに嘘は無い。祐奈への想いは真実だ。これからも付き合っていきたいと言う想いは、本心であることに間違いはない。  けど、不安なんだよな。  この本にはこれから先、どうしたら良いのか、全く書いていないんだ。  困ったな……。  これから、どうしたら良いのかな。  スマフォで検索をしてみる。 『彼女のハートを掴むデートのやり方』を見つけた。  これを購入することに決めた。  これで上手く行くよな。  ここまでは、マニュアルに沿った行動で、上手く進んでいるのだから……。 Fin
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