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#1
文化祭が終わり、スペースナイトまで残り10日。
みんな完璧に演奏を仕上げてきている
喉を壊さないようにマスクは必須。のど飴とレモンティーも毎日持ち歩くようにしている。
星哉が「話したいことがあるからスタジオまでいっしょに行こう」と誘ってきた。今日は仕事がないのでもちろんOK。
「お待たせー。日直の女の子が友達としゃべってて遅くなっちゃった。」
「5分ぐらい平気。それより、セトリの事なんだけど――――」
「ゴホッゴホ……ッ。んんっ。」
「風邪か?」
分からないけど、最近声が変で。
声変わりなんてとっくの昔に終わってるはずなんだけど。
なんだか、声がスムーズに出ようとしてくれないんだ。
今だってうなずこうと、うんって言おうとしたら咳が勝手に出て。
「熱は」
「ん……ない?」
「ないけど。一応病院行っといた方がいいな。スペースナイトも近いんだし」
「うん。ごめんだけど、練習少し遅れるってみんなに伝えておいてほしい」
「俺も行くから」
「ダメ。病院で星哉が風邪もらって来たらそれこそ困るよ」
だから先にスタジオに行ってて。
星哉は半分納得して、スタジオに近い道から走っていってしまった
心配かけてゴメンね。と心の中でつぶやく。
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