#1

1/13
19人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ

#1

文化祭が終わり、スペースナイトまで残り10日。 みんな完璧に演奏を仕上げてきている 喉を壊さないようにマスクは必須。のど飴とレモンティーも毎日持ち歩くようにしている。 星哉が「話したいことがあるからスタジオまでいっしょに行こう」と誘ってきた。今日は仕事がないのでもちろんOK。 「お待たせー。日直の女の子が友達としゃべってて遅くなっちゃった。」 「5分ぐらい平気。それより、セトリの事なんだけど――――」 「ゴホッゴホ……ッ。んんっ。」 「風邪か?」 分からないけど、最近声が変で。 声変わりなんてとっくの昔に終わってるはずなんだけど。 なんだか、声がスムーズに出ようとしてくれないんだ。 今だってうなずこうと、うんって言おうとしたら咳が勝手に出て。 「熱は」 「ん……ない?」 「ないけど。一応病院行っといた方がいいな。スペースナイトも近いんだし」 「うん。ごめんだけど、練習少し遅れるってみんなに伝えておいてほしい」 「俺も行くから」 「ダメ。病院で星哉が風邪もらって来たらそれこそ困るよ」 だから先にスタジオに行ってて。 星哉は半分納得して、スタジオに近い道から走っていってしまった 心配かけてゴメンね。と心の中でつぶやく。
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!