♪ 一難

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♪ 一難

 「もう、無理だ。」 奏太の部屋で一緒に動画を見てた時いつも通りのそういう雰囲気になった。 恥ずかしさで意識が吹っ飛びそうな、甘い距離に胸焼けしそうな時間だった。 奏太はそういう時必ず自分の耳たぶを触り、感触を確かめたあと俺の耳たぶを触りながらどんどん手を下に滑り込ませていき、唇の輪郭をなぞってきた。 それが合図だった。たまらなくなって顔を背けようとするけど許されることなくもう片方の手で首元を完全にホールドされる。 身動きが取れないこの感覚はどれだけ時がたってもなれることがない。 完全に見つめあった時奏太はその言葉をもらして黙り込んでしまった。   「え?奏太どうしたんだよ。」
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