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征司は死角だと言ったが。
カメラの向こうからバッチリ覗かれているような気もした。
もしかしてこの映像は録画されていて
いずれ九条さんの元に届けられるかもしれない。
それが征司の復讐かも——。
「いやっ……いやだっ……!」
壁に手をついて揺さぶられる形で
僕は唯一自由に動かせる頭を左右に振る。
「嘘つくな——前はもうパンパンじゃないか」
征司は髪を掴み上げ
同時に恥ずかしい僕の膨らみに片手を添えた。
「アアッ……」
「恋人が売った男に無理矢理抱かれてこのザマとはな」
耳元で言われれば言われるほど
屈辱と快感に肌がざわつく。
「和樹、背徳的なのが好きだろ?」
「もう……許してください」
「本当はこうして欲しくてここに来た。おまえは——」
「ひっ……!」
「やっぱり俺なんだよ」
痛いほど張りつめた場所を握られ
思わず身体が引き付けた。
「九条じゃない——俺なんだ」
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