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蕾が開いて咲いたばかりの薔薇のように。
僕はここに来て匂い立つ自分が憎い。
屈辱が屈辱であればどれほど楽か。
求めていないのに従わされているだけならば。
僕はどれだけ身も心も楽か——。
「——何とか言えよ!」
何度も何度も腰を打ち付け
征司は絞り出すように声を荒げる。
言ってやるもんか。
僕がこれを愛しているなんて——。
言ってやるもんか。
あんたなしじゃやっぱり無理だなんて——。
歯を食いしばる。
だけどしっかりとこの男の味を覚え込まされた身体は僕の言うことなんか聞いやしない。
「うぅぅああっ……イクっ……!」
「それがおまえの答えかよ」
「いやぁっ……イッちゃうっ……もうダメっ……!」
「大きな声を出すなよ。本当におまえは——」
情けないくらい簡単に思い通りにされる。
操り人形のように。
「ダメな奴だ——最低だ」
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