新・地球秘話

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1999年1月1日――  ジョーイは目が覚めた。なんだ、いつも通りじゃないか。そう思ったのもつかの間、ジョーイは目の前が真っ白になった。正確に言うと、ジョーイの目の前が真っ白だった。目の前だけでなく、上も、下も、右も、左も――白の中にジョーイが浮いていると言ってもよかった。  いや、ジョーイがいたかも分からなかった。真っ白で、白、白、白――何もなかった。遠くに、青い星が点のように見えた。 **  知っていましたか? そう、今私たちが立っているこの地球は、実は第2の地球なのです。1998年12月31日の夜――誰にも気づかれずに、誰かが私たちを救ったのです。本物の地球のほうは、もちろん消えてしまいました。誰が救ってくれたのでしょうねえ……。もしかして、ノストラダムス――?  でも、彼には手落ちもありました。全員を救うことはできなかったのです。あなたの周りにも、あの日を境に姿を消した人がいるのではないですか? え、そんな人はいないって? そうですね、いないでしょうね。なんせ、地球と一緒に消えてしまった人は人々の記憶からも消えてしまうそうですから。  え、ジョーイはどうなったかですって? さあ、そんな人はいませんよ――?
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