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私達二人は、特に料理が上手な方ではないので定番のカレーを作り彼氏たちに振舞う。
二人共「美味い」と言いながらおかわりまでしてくれたのは嬉しかった。
四人で、家から持ってきたテレビゲームをやったりトランプをしたり、大学や仕事先であった面白い事、ムカつく事などを話、酒の力も借りかなり盛り上がった。
この時は、司との距離も元に戻ったかもしれないと私は思っていた。
「さ~て、では良い時間になりましたので!肝試しと行きましょうか!」
由美子は立ち上がり音頭を取るように張り切って言った。
「あ~もう十二時か・・・明日にしない?俺眠くなっちゃった」
ユウは赤い顔の中にある目をとろんとさせながら言う。
「何言ってんの⁈これがメインなんじゃない!話したでしょ?」
「ああ、影の話ね。昔話だろ?実際いる訳ないじゃん。蚊に刺されて終わりだよきっと」
「いいから!行くの!ね、懐中電灯とか持ってきてるよね?」
「うん」
肝試しの為に買い揃えた懐中電灯と電池が入った袋を取り出し由美子に渡した。
由美子はその袋を受け取ると、一人に一つずつ懐中電灯を配り
「ね、この前聞いた話もう一回してくれない?」
「え?この前の?」
「ほら!沼の話よ」
「ああ。・・・これはお母さんから聞いたんだけど、近くの山の中に沼があるんだって。それ程大きくはないらしいんだけど。その沼には絶対に近づいちゃいけないって小さい頃から言われてたらしいよ」
「沼?」
司は露骨に嫌な顔をする。
「その沼の近くに祠があるそうなの。その祠に、各自この飲み物を置いてくる。これが今回の肝試しです!」
由美子は得意げに言う。
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