得体のしれない者

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ふと、幼い頃祖母が話してくれた話を思い出した。 この村に来るきっかけにもなった話だが、小さい頃は恐ろしく感じたものだが、大人になるとそういう純粋な気持ちは無くなるのかもしれない。だから肝試し感覚で来たのだ。 この事は司には話していない。 「あのね、ここに来た理由はね・・・」 私は、司に話してみた。 単なる村に伝わる迷信めいた話だと思っているので、軽くあしらわれるかと思ったが司は違った。 「じゃあ。アレは影なのか。お前のお祖母ちゃんの言う通りだとしたら、アイツらは影を踏まれて・・・・さっきのはアイツらのどちらか・・・って事か?」 「・・・お祖母ちゃんの話だとそうなるよね」 「・・・・・」 司は黙り込んだ。
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