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「見て!あそこ!」
玄関から少し離れた所に、由美子とユウ君が二人並ぶように倒れていた。夜の暗闇で分からなかったのだろう。明るい朝日のお陰で二人の姿を見つけることが出来た。急いで駆け寄り大声で二人の名を呼ぶ。
「・・・・ん」
「んあ」
二人とも死んではいない。
「由美子!大丈夫!由美子!」
由美子の体をこれでもかと言う程に揺さぶる。
「いぃぃぃぃ。痛い!痛い!なになに何?」
由美子は私の剣幕に驚き飛び起きた。隣で倒れていたユウ君もつられて起き出す。
「大丈夫なの⁉由美子?怪我は?」
「ん?怪我?・・・・あっ痛っ!頭痛い!」
由美子は後頭部を押さえ痛がる。
「え?頭?大丈夫?見せてみて」
私は恐る恐る由美子の髪をかき分け、痛いという場所を確認すると大きなこぶが出来ていた。ユウ君の方は司が怪我の確認をしている。
取り敢えず、由美子の大きなこぶ一つだけで大きな怪我はなかったのでひとまず安心した。
祖母の家の中に二人を連れて行き、今回の事を説明した。説明と言っても私達も分からない所が多く、由美子達もまだ落ち着いていないため、かいつまんでしか説明できなかったが。
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