秘密の部屋

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畳が敷かれた三畳ぐらいの小さな部屋には、奥の壁に大きな祭壇があった。 シンメトリーに蝋燭が数本並び、その中心には白い紙に真っ黒い人型が描かれた紙が貼ってある。その黒い人型は、眼も口もなく頭から足まで真っ黒に塗りつぶされている。 その祭壇の前で、お祖母ちゃんと近所のお年寄りが座って頭を下げ一心不乱に拝んでいる。お経は聞いたことあるので知っていたが、お経ではない。 ここからじゃよく聞き取れないが 「・・・・・お帰りください・・・・・しんちゃん・・・・・」 この部分だけしか聞けなかった。 (しんちゃん?誰だろう) 暫く見ていたのだが、異様な雰囲気に押され次第に怖くなってきた私は、トイレにもいかずに部屋に戻り布団に潜り込んだ。 (まさか・・・まだあの祭壇があるのかしら) 私は、温泉に向かう車の中で考えた。
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