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怪しげな男達は、書類を片手に何かを話し合っていた。会話が耳に入ってくる。
「健康そのものだな、こいつ。中学以来病気してない、ってヤバいだろ。」
「なのに、社会不適合者。全く残念としか言いようがない。」
男達の笑い声が部屋に響く。
「常備薬もない、血液型はAB、って血を取って下さい、と言ってるようなもんだよ。」
「日本人でAB型のやつは少ないからな。高価だよね~。」
「臓器も健康であればあるほど良いからなぁ。」
こいつら、俺があのサイトで答えたことを知ってやがる。何故だ?血が高価?臓器?
「まぁ、とりあえず今後の進行の確認だ。まずは採血して、あっ、400取るか、最初は。臓器を取れるだけ取るから。こいつの場合、心臓、肝臓、肺、腎臓、膵臓、小腸、眼球だ。生きた状態で取れるものは取って、その後、脳死状態にさせ、最終心臓まで取っていく。血液は随時だ。」
次々に臓器の名前が読み上げられていき、それが今から取られると考えると気が狂いそうだった。叫びたくても叫べない。身体を動かしたくても動かせない。
「了解です。」
他の3人が返事をする。
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