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質問にただ答えただけなのに、祝われる筋合いはない。健康だと言われるのはいいとして、自分の身体を国のために使え、と言って来るのはいかがなものか。
過去に、日本が太平洋戦争で国のために戦えと強要していたものに、何処か近いものを感じ、少し気持ちが悪かった。
とはいえ、このサイトにどのようにコメントされようが、今自分が求めているものは質問に答えたことで発生する金であって、直ぐにコメントの下にある入金方法の選択のボタンをタップした。
入金金額を見て、驚いた。1000万円と表示されていたのだ。
100万円でも高価であり、最低金額を決めているものだから、書いているだけで結局ほとんどの人にはその額しか渡していないものだと思っていた。
それにしても1000万円とかいかなるものか。大手企業に入っての年収に匹敵する額だ。今の自分なら何年も掛かってしまう。それが今数分のうちに自分の手に入ることとなった。事態の異様さに恐怖や戸惑いを感じる一方で、それを遥かに上回る喜びが押し寄せ、負の感情を呑み込んでいく。
あたかも自身が神か何かになったかのような浮かれた気持ちのまま、入金先である銀行の口座を指定し、送信した。
身体に住み着いた時間に、目を覚ました。朝になっていた。
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