華麗なる豪族たち

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 料理を前に三郷地方を治める三郷氏は貧乏揺すりが止まらない。  これはどう考えても土地柄が関係しているとしか言いようがない。  その隣には熊谷氏。  熊谷地方を治める熊谷氏は険しい顔つきだ。  何か考えごとをしているようだが…、しかしろくなことは考えていない。  そんなことは百も承知だが一応彼の頭の中を探ってみよう。  …「熊谷には毎年夏になると東京からヒートウェーブがやって来る。それによって熊谷は猛暑に継ぐ猛暑を記録している。  このままだと熊谷はピラニアなどが生息出来るジャングルへと変貌するだろう。  いや実はすでにそうなっているのかも知れない。だとしたら早く豊島区にでも引っ越した方が無難だな」  ───などなど。  様々な事情を抱えるなか小田原地方を治める小田原氏が口を開いた。  彼は今サミットの司会役を務めてくれる。  「諸君、今日はよく集まってくれた───」
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