私と僕の成長日記1

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私と僕の成長日記1

 熱い日光が差し込んくる夏の真っ最中セミが鳴く頃、一人の小学生の子供が公園で複数の中学生に蹴られていた。 いや、蹴られているよりは踏みつけられていた。小学生の子供はうずくまるように丸まっていてまるでダンゴムシのようだった。 「お前は! どうして! そんなに! グズなんだ!」  中学生の一人はそう叫びながら小学生の子を踏みつけていた。踏みつけられている子は泣きながら「止めてよう、止めてよう。ごめんなさい、ごめんなさい」と連呼していた。  中学生の子たちは笑いながら「止めるかよ、バーカ!」と叫んだ。  その時、一人の下駄を履いた中学生に見える子が公園に入ってきて言った。 「何してんの? 弱い者いじめ?」  そう下駄を履いた中学生に見える少年は笑顔でそういった。 踏みつけていた中学生の子は蹴るのを止めてその笑顔の子を見るとゾクッとした顔つきになり背筋を伸ばし「失礼しました!」と言って他の蹴って踏みつけている子たちを連れて去っていった。 「まったく、喧嘩する度胸もないならこんな人が通る中でイジメなんかするなよ」  そう言ってその少年はダンゴムシになっていた子に近づいた。 「弱いものイジメする方もするほうだけどされるがままにイジメられるのもナンセンスだと俺は思うぞ。以後、気をつけろよ小学生」  そう言われた子は「ぼ、ぼくユウキっていいます。本当にありがとうございました」 「俺はマジメ。ま、全然名前通りじゃないけどな。お前、俺よりいい名前持ってるんだからしっかりしな」  そう言ってマジメは帰っていった。 下駄の音を鳴らしながら。 その下駄のカランコロンという音がユウキにほんの少し温かさをくれた。
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