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 死神を見たままたっぷり焦らし、ぽつりと言った。 「君が身体を貸してた子、僕が探してる子かもしれない」  その声に確信めいたものをみてとり、苛立ちを覚えた死神は針のように目を細める。 「ならば、どうするつもりだ」 「どうも出来ないよ。宿主の思うようにするだけさ。現状、僕はあの子の影だから」 「好きにしろ。宙に影響が無ければ、あれがどうなろうと知ったことではない」 「君はそればっかりだねぇ」  暗闇は苦笑すると、エリックを指す。 「その膝の子はいいの?」 「遥霞は私が護らねばならん程、幼くは無い」  視線を遮るように片腕で頭を抱き、白い肩を撫でれば夜着に包まれた。 「そっちじゃなくて。不安定な子みたいだから、それだけ愛してるなら伝えてあげなよって思って」 「……お前が何を知っているというのだ」 「知らないよ?何でも知ってないと友達じゃないってことは無いだろう?だから尋ねるんだ。実のところ僕は、君のことが知りたい」  興味津々に見詰める青年を睨むのをやめ、死神は目をそらす。 「学者病も大概にしろ」  不満げな声を聞き流し、エリックを抱き上げてベッドへ連れていく。  宙を起こさないようそっと寝かせると、名残惜しげに頬に触れてから身を起こした。  そしてテーブルのそばで立ち止まり、黒いもやと半々のような青年を見下ろす。
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