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「幸せってなんですか?」
僕は空に向かって叫んだ。先生は首を傾げて「今日は俺が調子に乗り過ぎた。もう湯から上がってジュースでも飲もう」と言った。また僕のまつ毛に雪が降り積もって目の前が真っ白になった。
「先生、人間って何のために生まれてきたんですか?」
「そうだなあ、自分の幸せを追求するようにだよ」
僕は眉間に皺を寄せて湯船から出た。
「俊哉、どうした?」
「先生」
ダメだ。今日は舞い上がり過ぎて要らないことを喋ったり妖精を見たりどうもおかしい。雪の魔法に掛かってしまったようだ。僕は先生の腰に手を回して抱きついた。先生の身体がかたくなって身構えている感触がした。
「これ以上はいけないよ。分かっているだろう」
「はい」
黄金色のお湯に白いものが落ちては消えた。
終わり
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